ヘンプ入門

多種ある麻野中でも最も天然の機能性にあふれ、地球環境にやさしい、それがヘンプです。 ヘンプは、人に優しく・地球に優しいエコ植物として、オーガニック・フェアトレード・バイオマス・サプリメント・環境分野などで活用されています。ヨーロッパを中心に世界中で注目され、日本でも、昨今、地球環境問題に関心を持つ人々を中心に、ヘンプ認識の輪が広がり始めています。麻の種類には、リネン、ラミーなどいくつかありますが、ヘンプは、その中でも最も地球環境負荷が少なく、また、どの部位をとってしても多様な機能性を秘めています。 自然環境と人に多大な恩恵を与える、伝統植物「ヘンプ」。最近では、エシカルな素材として、環境意識の高い「良心を持った生き方」を追求する方々に注目されています。 本来は「道徳上の/倫理的な」などの意。現代では、環境保全や社会貢献の意味合いが強い。ヘンプは、全ての部位を有効的に活用できる植物で、茎(繊維部分、木質部分)、種、葉、花穂、根といった部位を用いて様々な産業用の用途に活用でき、その数は、3万種をも上回るといわれています。茎の繊維部分は衣料や紙、断熱材、プラスチックの原料となり、茎の芯部分は家畜の敷料や建築材料として、また、麻の種(実)は食品、そして、油となり食品油、化粧品、バイオ燃料などに利用可能。まさに、枯渇性資源に依存しない再生可能な循環型社会の構築に貢献できる植物なのです。 ヘンプは、原料の部位それぞれに非常に優れた機能性が多々含まれています。ここでは、衣料用途を意識して、繊維部分そのものがもつ天然の機能性を紹介します。※当回答欄で紹介した試験結果は、検査機関への提供試料に対するものではありますが、 その数値性能を常に保証するものありません。(天然繊維につき、試験結果のバラつきが発生することがあります。)※ヘンプ繊維には微細な穴が無数にある(多孔構造)ため、水分をすばやく吸い上げ、拡散し、水分の蒸発を促進します。(毛細管現象) ヘンプ糸の抗菌性基準は3.9以上(繊維評価技術協議会のSEKマーク基準値は2.2)あり、菌の増殖を抑制します。ヘンプ繊維には天然の制菌性があり、殺菌活性値は、MRSAで1.5以上あります。(0以下は制菌効果なし)
試験品名:ヘンプソックス(ヘンプ、綿、ポリエステル)
試験方法:JIS L 1902(菌液吸収法)
試験番号:08OS32472-4、08OS32472-5
試験実施機関:財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTECv)
依頼者:ヤンガートレーディング(株) 抗菌性、制菌性に優れ、臭いの原因となる雑菌の繁殖を防ぎ、臭いの元を撲滅します。汗によるいやな臭いを発生する菌は「アンモニア」「酢酸」「イソ吉草酸」に分けられますが、そのいずれも消臭します。
JISで定められた消臭性の最低基準は「アンモニア……70%」「酢酸……80%」「イソ吉草酸……85%」ですが、ヘンプソックスの消臭結果は以下のとおりです。 試験品名:ヘンプソックス(ヘンプ、綿、ポリエステル)
試験方法:JIS L 0217 103法
吊干し JAFET 標準洗剤使用
試験実施機関:財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTECv)
依頼者:ヤンガートレーディング(株) ヘンプは、他の主要な繊維に比べて非常に強力です。また、湿ると更に強くなります。
試験品名:ヘンプ100%生地(24Nm×24Nm 54×54)
試験方法:JIS L 1096 D法
試験番号:08-OS-20187
検 査:財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
依頼者:ヤンガートレーディング(株) ヘンプ100%生成り生地の紫外線遮断率は92%以上。(色、生地規格によって多少のバラつきあり)
通常の綿生地30~90%と比較して紫外線遮断効果は大きいです。
試験番号:08OS21992(1/1)
試験方法:自記記録 分光光度計 HITACHI UV3010 使用
測定波長域 280~400nm
(*1)水洗い処理:JIS L 0217 103法 吊干し 10回繰返し
試験実施機関:財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
依頼者:ヤンガートレーディング(株) ヘンプは害虫に強く、栽培において、農薬・化学肥料を使用する必要がなく、栽培の手間があまり要しません。農薬が用いられていない畑は非常にクリーンな環境です。 100~120日で3~4m程に成長し、採取することが可能です。雑草よりも早く成長するため除草剤を使う必要もありません。 麦やトウモロコシなどの輪作体系の中で栽培することができます。モノカルチャー (大規模単一栽培)による環境負荷の増大がありません。 ヘンプは根をくまなく土壌中に張りめぐらせるため、収穫後はふかふかな土壌となります。また、少しの水分で育つため、農作物の耕作に適さない土地(不良土)でも活き活きと育ちます。日本では、昔から、痩せた土地を改良するために麻を植えてソバや野菜を植えてきました。
また、ヘンプを栽培することで、土壌中に溜まってしまった硝酸性窒素濃度(窒素を含む化学肥料、有機肥料、畜産廃棄物、生活排水などが原因)を低減させる効果もあります。(硝酸性窒素は、酸素欠乏を引き起こす原因となる上に発ガン性物質にもなりえます。) 冷帯、温帯、熱帯に問わず、痩せた土地でも肥沃な土地までどこででも栽培可能です(北極、南極、氷雪体、ツンドラ、湿地帯は除く)。暖かい地方では、二毛作も可能です。 麻は、栽培において木材よりはるかに多くのCo2を吸収します。例えば、チップを用いた壁材は1立方メートル毎に約110kgのCo2を閉じ込める効果があるという試算があります。 ※(有)トムクラフト 『麻壁技術ノート』による。 麻は、栽培にあたって多くの水を必要としません。さらにいえば、「山腹地」「荒地」「塩分(アルカリ性)を含む土壌」が良い麻が作られるとされます。特質すべきは、これらの土壌は、通常、農作物を耕作するのに適さない土地!で「不良土」と呼ばれています。この不良土は世界的にも問題視されており、ヘンプはその解決が可能です。 ヘンプは、砂漠の緑化にも貢献できます。世界的に拡がる砂漠化現象は地球の大きな課題となっております。ヘンプは、年間降水量が100~200ミリの土地でも栽培できる事例があります。ヘンプを植えることで、その土壌を改良し、緑を取り戻すことが可能なのです。 ヘンプは、あらゆる面で環境に優しい天然繊維。
しかも、人にやさしい数々の機能性をもったヘンプを、この行き詰まりを感じる今の時代こそ、
生活・企業の事業活動に積極的に取り入れない理由はないのではないでしょうか?
麻福では、ヘンプの具体的製品を通すると並行して、
ヘンプ活用の提案を行い、世の中におけるヘンプの普及・推進を行います。